【自宅小窓】スケジュール・体調管理もできないなんて失格っていうけど

これまでのお話

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「自分でスケジュール管理もできないの？」
「社会人なのに風邪ひくとか失格」

ごもっとも！

でもね、
「なんとしてでも●日までにこれリリースしたいんです…。」
「もうプレス打っちゃって、損害賠償にもなりかねないです。」
なんて言われようものなら、こちらが悪くなくても、断ることでお客さんがいなくなっちゃう恐怖といつも背中合わせ、しかもバックボーンがないフリーランスにとって損害賠償なんて単語は恐喝に近いくらいの言葉。

どうがんばっても体調崩す時は崩す。



どこでも仕事できるってことは、土日祝日プライベート一切なし。
0時をすぎてようが関係ない。

作業履歴に3時4時のものがあると、「あ。起きてるんだな。」と思われるらしい。
何も好き好んでそんな時間に作業しているわけではない。
とはいいつつ、自分が夜型っていうのも少なからずあるのだけれど、
基本的に作業やそれに伴う連絡は太陽が元気な時間帯と最初は決めてはいた。

ところが時を追うに連れ、
何時だろうが「至急」「急ぎ」なんていう心臓がバクバクしちゃう文字列がついた知らせが飛んでくる。

なに？！バグ？！

手をカタカタ震わせながらみてみると「表示が崩れてる」っていう内容だったりする。しかも原因がお客様側にあったりすることも多々ある。登録できないよって周知してある文字数を入れたり。そりゃお客様にとっては一大事なのは分かる。
時計を見て、ため息をついてしまう。

深夜3時。
やっと「なんとか明日までにリリースしたい」と言われてたところを対応し終わったところだった。そこにきて「至急」ときた。
今日も太陽が昇る前に寝るという当たり前の生活を諦めた。

朝がきて、9時。
至急と言われたところを直して、報告のメールを打って、少し休むか…と思った所に、始業時間が始まった別のお客様から連絡。
「お見積もりを夕方までに頂けないでしょうか。
ざっくりで構いませんので。」
えー？！週末でいいっていってたじゃん！とは言えない。
「ざっくり」っていったって、本当は20日かかるところを10日くらいなんて言おうものならこっちが損するし、じゃあ100万円頂戴なんて言おうものなら連絡こなくなっちゃう。
ざっくりって言ったってそれなりに計算しなきゃいけなくなっちゃう。
見積もりのために資料を読みおとす。

途中飛んでくる「さっきの修正ですけど、〜にはできないでしょうか？」なんていう連絡が飛んでくる。ほんとキリがない。
でも断れない。怖い。

途中、修正作業を挟みながら、再見積後とそれほど大きく前後しない金額を書いてメールを返す。気がついたらまた太陽が沈んでいく。

落ち着いた頃にはもう外は真っ暗。
やっと大きめの改修に入れるくらいにまとまった時間が作れた。

プログラマにかぎらず、エンジニアやクリエイターって途中で作業を中断されるのを極度に嫌う傾向にあると思う。ノッてる時に邪魔された時の萎える感じって半端ない。
だから結局、まとまった作業は夜中にやることになる。お客様とのやり取りは昼間に。

だんだん、時間なんか関係なくなってきた。

土日に外に出てて、ご飯食べてる途中に
話を遮って仕事のメールを返す彼女ってのに相方はいい顔しなかった。
話を遮ることにではなく、土日にまで仕事をしていることに。
自分の体力を潰して仕事をしていることに。

ある日の土曜の深夜。
相方にコーディングを手伝ってもらっている時に電話がなった。
お客様からだった。

「今、テスト環境で直していただいているところなんですが、〜に変更してもらえないですか？」

電話が終わって相方と喧嘩になった。
「土日にまで仕事してるのはおかしい。ましてや深夜にまで。」
「連絡が来るのがおかしいとは言わない。」
「この時間は受け取らない方向にもっていくのがマネージメントでしょ？」
「テスト環境のことでなんでこんな時間に連絡してくるんだ。」
ごもっともなお説教をくらった。
個人でやることへの理解はしてくれているけれど、やっぱりやってみなきゃリスクに対する恐怖感っていうのは分からない。私は私なりの言い分があったけれど、正直何も言い返せなかった。

自分が持っている時間すべてを仕事に変えざるをえない方向にしかもっていけない、
そうすることでしか仕事をもらえないっていう自信のなさがある。
気づかないようにしていた所を、相方に言われて、これまで気持ちだけで保ってたなにかが崩れてしまった。

翌日から起き上がれなくなった。